今日は、先日に引き続き、意外に知らない高校入試の話その4をお届けしたいと思います。
みなさん、そもそも「偏差値」って何か知ってますか?
高校の数学でも偏差、標準偏差までは習いますが、「偏差値」となると大学の統計学を取らないと学ぶ機会がないようです。
でも、ほとんどの保護者、受験生は偏差値という言葉は知ってますよね。
ただ、言葉の正確な意味はわからないけどなんとなく使ってるって方がほとんどだと思います。
世の中できちんと習ったことがない人が多いけど、これだけ普通に使われている言葉も珍しいのかもしれませんね。
ここでは、できるだけ優しい言葉で、偏差値についてご紹介することで、正しく偏差値を理解し、間違った偏差値の使い方をしないようになって欲しいと思っています。
ところで、皆さんが思う偏差値ってどんな意味でしょうか。
高校とか、大学の難しさを示す数字ですか?
それとも、自分の賢さ(レベル)の高さを示す数字ですか?
確かに、塾で高校が偏差値別に並んでいるのポスターを見ながら、
あの学校に行くには偏差値が68もいるのか!スッゲー!
ここの学校50でも行けるじゃん、大したことないな~
この学校、偏差値40ないじゃん。ヤバいって!
なんて生徒たちが話しているのを聴くことがよくあります。
最初は、高校のレベルを示す数字という印象で偏差値と出会うことが多いですね。
その後、塾で全県模試を受けた後、結果に乗っている自分の偏差値を見て、
やった!偏差値が60超えてる!
うわ~自分、偏差値45しかない~
どうしよう・・・偏差値30台だ・・・
などど、今度は、生徒個人のレベルを表す数字に変わっていくようです。
そしていつしか、”偏差値=学力のレベルを示す数字” と理解していきます。
おおむね、その理解であっているのですが、2点抜けているのが”そのテストを受けた集団の中で”という言葉と、”得点のばらつき具合を元に作られた”という言葉です。。
偏差値とは、そのテストを受けた集団の中で、平均点を取った生徒を50とし、その生徒の得点を元に、得点のばらつき具合を元に作られた学力のレベルを示す数字 です。
数字の意味や算出方法、特に”得点のばらつき具合を元に作られた”という意味は、こちらのサイトを読むと理解できるかと思います。
http://atarimae.biz/ より
このサイトで使ってる極端な例ですが、数学、英語、歴史で同じ75点をとっても、平均やばらつき具合で偏差値がこんなにも変わるという例です。
これを見れば、平均だけでなくばらつき具合も偏差値を大きく変えるということが理解できるかと思います。
愛知県全県模試の結果を見ても、社会、英語、国語と同じ60点だったのに、偏差値は社会が58、英語が52、国語が48なんて事はよく起きます。
模試の場合は、元の得点ではなく、偏差値の合計で成績の良し悪しを判断します。
先程の、同じ60点だった場合でも、こんな評価になります。
偏差値が58と高かった社会は平均を大きく超えており、難しいなかよくやった。
偏差値が52の英語は、平均点少し上で普通
偏差値48の国語は、平均を下回っておりちょっと残念
実際、以下の表を見ればわかるとおり、偏差値58は上位21.19%(300人中63位)とまずまずであり、偏差値52は上位42.07%と(300人中126位)と、真ん中ちょっと上。偏差値48は上位57.93%と(300人中174位)と今一つだったことがよくわかります。
(日進西中学校が一学年約300人なので、300人中の順位に換算するとイメージがし易いと思います。)
http://atarimae.biz/より引用
つまり、偏差値は、テストの難易度などを全て同一条件(平均点50点)にできたとした場合の得点というイメージです。さらに、全県模試のような大人数が受けるテストの場合は、そのまま、順位にも換算することが可能です。
今日は、偏差値ってどんな数字か、どうやって求めるのか、数字にはどんな意味があるのかを中心に、お話しました。
まずは、偏差値は、テストの平均点やばらつき具合を元に計算して出されていること、偏差値自体は、ただのテストの得点を、評価のために換算した数字であり、おおよその順位にも変換できる、ということをご理解下さい。
次回は、偏差値を比べることの本当の意味についてお話したいと思います。
ヒントは、”そのテストを受けた集団の中で”という言葉です。