今日は、日進中学の生徒がテスト結果を持ってきてくれました。
先日のケースとは違って、オームの法則とか完璧に出来るようになってたのに、本番では、問題量の多さに圧倒され、更に、抵抗が複雑な形に配置されたことで、冷静さを失って、解ける問題も間違うなど、反省の多い結果でした。
また、理科だけでなく、数学も問題数が多く、大問で17問!
その中に証明の穴埋め問題や、角度を求める求角の問題、確率の文章題などが配置されており、そもそも時間無いに問題を解き終えることが出来る生徒がどれくらいいるのかといった感じの問題量でした。
そのテストの最終問題がなかなかの難問でしたので、こちらでご紹介させて頂きます。
(1)は単純に3つの箱の中に景品が1つですから、当たる確率は、1/3となります。
問題は、(2)の(ア)と(イ)です。
かずきさんがCの箱に入っていると予想した後(ただし、正解かどうかは、かずきさんはまだ知りません)Bの箱を開けられ、「ここには無いよ~」 って言われた後、選び直す?って聞かれてる状況です。
感覚的には、Bの箱は除外して考えられるので、残り2つのどちらを選んでも、確率は1/2に思えますよね。
正直、私も最初は(2)の(ア)(イ)とも答えは1/2 って思いました。
でも、1/2は不正解です!
では、問題が100個の箱だったらどうでしょうか?
1~100までの数字が書いてある100個の箱が用意され、出題者のけいたさんがどこかの箱に景品を入れました。(もちろん、けいたさんは、どの箱に景品が入っているかは知っています。)
かずきさんは、その中の一つ、100番の箱を選びました。
さて、かずきさんが景品をもらえる確率は?
そう、1/100ですよね。
ここで、先ほどと同じように、出題者のけいたさんが景品の入っていない箱を、1つつづ開けていってくれます。
もしかしたら、100番に入っているかもしれませんし、入っていないかもしれません
(入っている確率はわずかに1/100ですが・・・)
最終的に、かずきさんの指名した100番の箱と、もう一つの箱が残りました。
さて、この時点で、かずきさんが景品をもらえる確率は?
1/2に確率が上がったと思いますか?
確かに残った箱は2つ、どちらかに景品が入っているのだから、なんとなく1/2のような気もしますが、最初見たテストの問題と、印象がずいぶん違うと思います。
理由は、テストの問題が最初に当たる確率は1/3と大きかったので、選ぶ直してもそのままでも、対して確率が変わらない印象なのに対して、100個の箱の問題では、最初に当たる確率は1/100と、とても小さいので、そのまま最初の選択を信じるより、明らかに選び直したほうが、確率が上がりそうに感じるからです。
実際、選び直さない場合は、最初の確率そのままなので、1/100から変わりません。
では、選び直した場合の確率は、どうなるでしょう。
確率の問題は、全ての確率を足すと1になりますので、最初の100番の箱の当たる確率が1/100であれば、残ったもう一つの箱が当たる確率は、1-1/100=99/100となります。
つまり、箱100個の場合、選び直したほうが99倍当たる確率が高くなるのです。
(もちろん、1/100に確率を当ててるかもしれませんが・・・)
では、テストの問題に戻りましょう。
改めてもう一度問題を読んでみましょうか。
(2)(ア)予想を変えずCを選んだ時、かずきさんが景品を貰える確率
これは、最初にCを選んだときと確率は同じですから、1/3です。
では(イ)予想を変えてAを選んだ時、かずきさんが景品を貰える確率
はどうなるでしょう。
先程の100個の箱問題と同じく、全体1からの引き算となるので、
1-1/3=2/3
答えは2/3となり、予想を変えたほうが、変える前より2倍当たる確率が高いことになります。
まだ納得がいきませんか?
(私も最初は、全然理解できませんでした・・・)
問題を少し変えますね。
A、B、Cの箱に1の景品は同じです。
ただし、かずきさんが選べる箱を2つに増やします。
(今回かずきさんはA、Bの2つの箱を選びました)
さて、かずきさんが景品がもらえる確率は?
そう、2/3に増えました。
そのA、B2つの箱をもったまま、たとえBはハズレだよって教えられたとしても、選び直してないので、かずきさんが景品をもらえる確率が変わらず、2/3のままです。
その状態で、Cの箱のことを考えると、当たってる確率は、1/3です。
どうでしょう、2/3と、1/3に別れる理由がわかりましたか?
数学は、時には人間の持つ感覚と違う答えを出すことがあります。
それもまた、数学の面白さといえるのではないでしょうか?