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解の公式の「意味」わかります?

中3生が、数学の力試しがしたいと言うので、去年の過去問に挑戦してもらいました。

 

 

先生が違うから、問題の形式も違うでしょうし、あまり過去問を解くことには意味が無いと思っていますが、自分がどれくらいできるかの力試しには使えますからね。

 

去年の問題の3番、先生としてはサービス問題のつもりで出したと思うのですが・・・

 

 

二次方程式 ax^2 +bx +c = 0 の解を求めなさい。

 

という問題です。

 

 

 

この問題、ウチの生徒たち、数人が、何を代入していいかわからないって言い出したので、びっくり!

 

 

もちろん、ウチの生徒たち、解の公式は、覚えているし、使いこなせたりもします。

 

でも、この問題には手が止まってしまったんですよね・・・

 

 

教科書にも、解の公式を説明する際に、こう書いてあります。

 

 

そう、ax^2 +bx +c = 0 の解って、「解の公式」そのものなんです。

 

 

 

でも、なぜか、でてこない・・・

 

 

いろいろ理由を考えてみました。

 

 

私の考えなので、違うかもしれませんが、生徒を見ていて、こんな思考をしてるように感じました。

 

 

解の公式は、便利な電卓のような道具で、因数分解とかで解けないときはこいつ(解の公式)に代入すれば、一発で答えが出るという便利な道具なのかなと。

 

でも、ルートの中の計算が面倒だから、できれば、使いたくない道具。

 

 

今回の問題、ax^2+bx+c=0 には、数字がない・・・??

 

a b c に何を入れていいかわからない・・・・

 

ああ、だめだ、こんな難しい問題解けない・・・

 

 

とこんな感じです。

 

 

 

教科書では、解の公式の成り立ちもキチンと紹介してくれています。

 

ほとんどの先生も、解の公式の導き方は、一度は黒板を使って紹介してくれているようです。

 

 

でも、その後、「この公式を覚えたら、数字さえ入れれば、答えが出るからね!」と言われ、公式に代入する練習を行い、使えたら、OK!となります。

 

そこで、解の公式が、ax^2+bx+c=0 という一般的な二次方程式の解であるという一番大元の、定理の部分が抜け落ちてしまうんですね・・・

 

 

 

今回の結果は、私にとっても衝撃でした。

 

公式の丸暗記ほど怖いものは無いと思って、日頃から生徒と接していますが、解の公式に関しては、ax^2+bx+c=0を変形させて、x=の形にするのが、多くの中学生にとっては呪文に感じるくらい難しいので、とにかく解の公式を使えるようにしよう!と言ってしまっていました。

 

 

 

結果として、意味もわからず、ただ数字を入れているだけの生徒を育てていたんだなと。

 

 

 

小学校の算数、特に計算なんかは得意だったのに、中学になって、方程式や関数で、全然ついていけなくなる子は多くいます。

 

これらの子の特徴の一つに、「具体的」な数字だと計算できるけど、それを「一般的」に表した文字

式だと、とたんに難しく感じるようです。

 

国語で言うと、具体的な事例の説明は、よく分かるけど、それらをまとめて抽象的に言われると、ピンとこないという状態とにています。

 

実は、「算数」は、具体的な数字がを扱いますが、「数学」は、それらを一般化して文字を使って表します。こうやって抽象的に表して、どんな数字が入っても使える数式を扱うのが「数学」なんですよね。

 

 

それらの数式は、ときおり「公式」と呼ばれ、数字を入れると答えが出る便利な電卓のような道具になります。

 

円の面積の公式や、球の体積の公式なんか、成り立ちはよくわからないけど、数字をいれれば答えが出ますからね。

 

 

速度の計算で、「きはじ」を使って求めるのも、便利な電卓のような道具に頼った例だと思っています。

 

速さ とは、単位時間あたりに進んだ距離 なので、 どの単位の時間(1秒あたり、なのか、1時間あたり、なのか)を考えて、計算できるのであれば、大丈夫だと思います。

 

 

でも、問題に出てきた数字をとにかく「きはじ」に入れたら答えが出るって思っていると、単位が揃っていなくて、×になったりしますよね。

 

このあたりが、公式や、「きはじ」を丸暗記でつかう怖さだと思っています。

 

 

 

高校に上がると、さらに複雑な式になり、具体的な数字が無いまま授業が進んでいきます。

 

そんな時、「算数」にしか慣れていなくて、「数学」を扱う準備が出来ていないと、本当に苦労すると思います。

 

中学のうちに、具体的な数字がなくても、数式を扱えるような、抽象的な思考、考えができるようになってほしいですね。

 

 

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プロフィール


西尾 信章(Nobuaki Nishio)


個別学習のセルモ
日進西小学校前教室 塾長

愛知県立東山工業高校(現在の愛知総合工科高等学校)卒業後、日立製作所へ入社。1986年、日立内の日立京浜工業専門学院に通い、のちに東京大学へ留学。2000年に退職し、7年間マイクロソフトで働く。その後2回の転職を経て、2012年7月に「個別学習のセルモ」をオープンした。

 

趣味は吹奏楽
名東ウインドオーケストラ、Nisshin Wind Orchestraに所属し、トランペットを担当

 

他にも洋楽カラオケや、ゴスペル、英会話も大好き

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