10月16日に、愛知県教育委員会より、「平成30年度中学校卒業見込者の進路希望調査ー第1回ー」が、発表され、翌日17日の朝刊に、愛知県の公立高校別の倍率として掲載されました。
どうしても、「倍率」という文字が並ぶので、数字を見て一喜一憂してしまいますが、今回の第1回の調査は、ある種の人気調査だよと生徒には伝えています。
というのも、調査日が9月10日であり、これは、夏休みに塾などで行われた模試や、2学期早々に学校で行われた実力テストの結果を見る前に生徒が聞かれて答えているからです。
つまり、9月10日時点では、模試や実力テストの結果を全く考慮していない、「行けるのなら行きたい学校」を選んでいる生徒が多いからです。
この後、2学期の終わり頃に聞かれる第2回の調査では、かなり数字が変わってきて、最終倍率に近いものになりますが、現時点での倍率は、各高校の人気調査ぐらい、気楽に数字を眺めるようにしましょう。
さて、いくら人気調査とはいえ、数字が出ているので、いくつかこの近くの高校については、数字を見てみましょう。
倍率の高い学校TOP5校は以下のとおりです。
1位:松蔭高校 4.72倍 (尾張1.2群共通 Aグループ)
2位:天白高校 4.19倍 (尾張1群 Bグループ)
3位:安城高校 3.90倍 (三河群 Bグループ)
4位:中村高校 3.90倍 (尾張1群 Bグループ)
5位:菊里高校 3.89倍 (尾張1群 Bグループ)
ただ、これらの高校、人気が高いから倍率が高いかといえばそうとは言えない部分があります。
それは、その高校を「行きたい高校」として第1希望に選んでいる第1志望者数と、「滑り止めの高校」として第2希望に選んでいる第2志望者数の数を比べてみるとわかります。
この地区では、2位の天白高校 4.19倍ですが、中身の内訳は以下の通りです。
天白高校
今春定員 360 人
第1志望者数 550 人
第2志望者数 957 人
志望者合計 1,507 人
試算倍率 4.19倍
ご覧の通り、第1希望の倍近い人数が第2希望にいます。
つまり、天白高校は、この学校に行きたい!と考える生徒数より、上位校を落ちたら、ここに行ってもいいかなと考える生徒数が多い高校であることがよくわかります。
また、この第2志望という書き方も勘違いをしやすいので注意が必要です。
この第2志望者数の多い高校(天白、中村、鳴海、東郷、惟信 など)を第1志望にしている生徒は、注意してくださいね。
自分が第1希望にしている高校を、第2志望にする生徒は、基本、その学校よりレベルの上の学校を第1志望にしています。
つまり、自分より、レベルの高い学校を狙う生徒の人数が多いということです。
その生徒たち全員が第1希望校に合格してくれれば問題ないのですが、多くの場合、半数程度は、第2志望校に回ってきます。
つまり、確実に合格できるつもりで滑り止めにしている生徒が多くいて、合格の椅子が少なくなった中、その学校を第1志望にしている生徒は、その残った椅子を奪い合うことになるのです。
この状況で、合格を勝ち取るのはなかなか大変です。
受験生の皆さんは、17日の朝刊に掲載された公立高校別の倍率を見る際、単に倍率の高い低いだけを見るのではなく、第1志望者数、第2志望者数についても比較をしてみて、どちらが多いか、どんなタイプの高校なのかをしっかり把握しておきましょう。
倍率の目安は、2倍です。
一人2校受験できるので、2倍前後の倍率が一般的です。
2.5倍を超える高校は人気校、1.5倍より低ければ、不人気校と考えられます。
その上で、第1志望者数、第2志望者数の数を比較し、第2志望者数が多い場合は、上位のライバルたちが多く受験する可能性があることを認識し、第2志望者たちに負けない成績を取れるよう、努力をしなきゃいけないんだということを認識しましょう。
くれぐれも、倍率が高いからや~めた!とか、ここは倍率が低いから受かりやすそう~などと、安易に考えることのないようにしましょうね。
あくまで自分が行きたい高校の様子がどんなだろうということがわかる資料だと考えてくださいね。
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