多くの生徒や保護者の皆さんが目標にするのは、大学入学だと思います。
不思議と、大学卒業では無く、どこの大学に入学できるか?を一生懸命考えますよね。
確かに、今の保護者のみなさんが学生だった時代は、大学は、入学さえできれば、あとは、要領よく友達に出席確認をお願いしたり、できる子のノートをみんなで共有したり、取りやすい単位の情報を共有したりして、割と楽に大学を卒業できた時代でした。
回りの大卒の方に、大学で何を勉強したかを聞くと、多くの方が、アルバイトやサークルの話は覚えてるけど、勉強の中身は・・・ってなると思います。
ある意味おおらかな時代でした。
しかし、今は、企業からの要請もあり、また、文科省からも、しっかり授業をするようにとの指導も入っていることから、大学では、かなり真面目に勉強しないと、簡単に単位を落としてしまう状況になっています。
単位を落としてしまう学生を作ってしまう原因の一つが、入試制度です。
指定校推薦や、自己推薦、系列大学へのエスカレーター式の進学など、学力テスト無しに近い状況で入学できてしまうからこそ、大学に入ってから授業についていけないという不幸な状況を生んでしまうのです。
とは言え以前の記事では、入試制度改革の影響で一般入試の方が少数派になるとのお話をしました。
そういった入試が増えるからこそ、注意してほしいのは、「大学は思っているほど甘くはない!」ということです。
高校で、定期テストを頑張って高い内申を維持していたとしても、極端に苦手な教科を作ってしまうと、その教科に関しては、大学ではかなり厳しい状況になると思います。
楽団の友人に、名城大学の学生さんがいますが、彼女は、多くの友人が指定校推薦で楽に大学が決まっていくなか、絶対に名城大学に入りたいからと、必死で勉強して、一般受験で入試に挑戦し、見事合格を勝ち取りました。
その甲斐あって、大学では、かなり余裕をもって単位が取れているそうですが、回りの友人、特に指定校推薦や、自己推薦などで来た生徒たちは、英語がわからない~、数学がわからない~とブツブツ文句を言って、テストでもかなり苦労しているとのことです。
特に商業高校から指定校推薦で来た生徒などは、専門科目には強いものの、一般教養としての英語や数学が全くできなくて困っていると言っていました。
確かに商業高校からだと普通科からより指定校推薦は取りやすいと思います。
こちらの記事でもそう言っています(商業高校~大学進学 とってもお得だと思います!)
だからといって、勉強しなくていいということにはならず、むしろ、商業高校から大学を狙うのであれば、学校では学ばないレベルの英語や、数学を独学でキチンと学んでおくぐらいの覚悟が必要だと思います。
このあたりは、名城大学の竹内先生も同様な指摘をしていました。
もう一つが、勉強が楽で、簡単に大学の指定校推薦枠が取れるからと、大学進学の抜け道のようなイメージで商業(工業)を選んだ生徒たち。
こういった生徒たちは、目的意識が低く、大学に楽に入れればそれでいいと考えているタイプなので、入学後、基礎学力の低さでかなり勉強面で苦労して、卒業できずに中途退学していく生徒も少なくないそうです。
実際、以前のセルモの卒業生で、普通高校から、数学の先生の免許がとれるからと、理系の大学の工学部に女子推薦枠で入学した生徒がいました。
数学の先生になりたいと言うぐらいなので、数学には自信があったにも関わらず、工学部の数学のレベルについていけず、2年で退学してしまいました。
昨日から入塾してくれた高校2年生も、実は、理系の大学の付属校の生徒です。
エスカレーター式で上位の大学には上がれるからと、安心している生徒が多いのか、実際大学に入ってから、内部進学生ほど、単位を落として留年したり、ついていけないからと退学していく生徒が多いそうです。
そういった状況もあり、最近は、内部進学に関しても、厳しい条件を付けざるを得なくなってきてるようですね。
特に、上の大学が理系ということで、数学も、数Ⅱ、数Bに加え、数Ⅲも必須ですし、物理に関しても、物理基礎を学んだ後、改めて物理を学んだり、工業数理という、実用の数学も学ぶなど、かなり理系、特に数学と物理に力を入れて鍛えようとしています。
そういった状況をよく見ずに、理系の付属校だから、大して勉強できなくても、大学に行けるだろう~って高をくくっていると大きなしっぺ返しを食いそうです。
指定校推薦、自己推薦、内部進学などで大学を狙う場合、その先の大学でしっかり学べるだけの勉強体力を高校でしっかり身につけておかないと、大学に楽に入れた分、大きなしっぺ返しを食らっちゃうので、気をつけましょう!
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