高校生が、夏休みの課題の一つ、英語のエッセイを書いていて、上手くかけないから見て欲しいと言われました。
さすが国際英語コース、英語のエッセイを書く宿題が多いのですが、生徒は、かならず。OREOを意識して書きなさいと注意されているようです。
ちなみに、OREOとは、結論(意見)から先に書く英語のライティングテクニックです。
このように、まず、自分の意見を、そして、その理由を述べた上で、これを補強する説明や具体例を2~3上げ、なるほどと思ってもらったところで、最後に、冒頭話した自分の意見を述べて終わります。
さて、生徒が書いた英語を見せてもらいました。
若者の活字離れをどう思うかというテーマで、A4の用紙1ページ分、英語で書かれていました。
OREOを意識して書いたと言っていましたが、O:意見、R:理由の部分がとっても幼稚な英語で、”若者は、本を読まない。それはとても悪いこと。”とだけ書かれています。
しかし、その後の、E:具体例では、詳細に、漢字が読み書きできなくなりつつあること、新聞を読まない代わりに、インターネットのニュースを読むので、フェイク・ニュースに騙されやすいこと、何かあると、スマホで調べる癖がついて、自分で考えなくなっていることなどがしっかり書かれていました。
そう、彼女は、具体的な説明はいくらでもできるのに、それを上手まとめることができないのです。
そんな彼女に、この本を読んでもらいました。
途中、具体的な説明しかできずに、それをまとめることができないという人の話がでてきます。
「あ~!これ、私! お母さんにも、いっつも、で?何がいいたいの?って言われる~」って(笑)
学校の授業でも、読んだ英文の要約をやろうとしても、書いてあることは全部大事だからと考え、要約できずに、いつも注意されているそうです。
思考の中に、物事の大切な部分だけを抜いて、それらをまとめて、抽象化するという回路が抜けている感じです。
確かに、数学を教えていても、各問題に共通する考え方ができず、とにかく、1問づつ解き方を覚えようとします。
他に、高校の現代文では、具体と抽象の行き来ができず、とても苦労していますし、社会の歴史なども、1問1答をひたすら覚えるのは得意ですが、歴史の流れとか、時代ごとの特徴といった、抽象的な質問にはお手上げです。
こういった、彼女の思考の癖を説明してあげたところ、「むっちゃよくわかりました!」とスッキリとした笑顔で答えてくれました。
彼女にしたら、お母さんや、学校の先生から、いつも言われていた「何がいいたいのか結論を教えて!」という言葉の意味がわからずモヤモヤしていたのが、今日の会話で、自分が抽象化することが苦手なことが原因だとわかったのでスッキリとした笑顔になったようです。
とは言え、抽象化と具体化を思考や説明の中で行き来できることは、とっても大切なので、これからの夏休みの宿題をこなしていく中で、抽象化のトレーニングもしっかりしてあげたいなと思っています。
皆さんのお子さんも、小学校低学年の間は、固有名詞がいっぱい入った超具体的な話ばかりしてきませんでしたか?
◯◯ちゃんと、セブンイレブンで、ブラックサンダーとチロル買って、△△公園の椅子に座って、◯◯ちゃんの買った、チロルと、私の買ったブラックサンダーと1つづつあげっこして、私は、チロルから食べて・・・・
とっても楽しそうですが、この会話、友だちの名前も、お菓子の名前も、公園の名前も知らないと、聞くのが大変になってきます。
これが、小学高学年ぐらいには、「友達とコンビニでお菓子買って、近くの公園でわけあって食べたよ~」と、抽象度が少し上がった話し方に変わります。
逆に、中学や高校になっても、友達の名前や、遊びに行った場所、内容などを具体的にしか言えない子は、抽象化が苦手な子かもしれないので、注意が必要かもしれません。
言い換えるには、語彙力も必要です。
つまり抽象化が苦手な子は、語彙力も少ない子だったりします。
そして、物事の味方も常に一方向だけで、引いた視点だったり、俯瞰した視点では説明ができなかったりします。
最初のうちは、お母さんが話のポイントをまとめてあげて、「こうだったんだね?」と聞いてあげると良いかと思います。
そうやって、最初は、まとめてあげていたものを、少しずつ、子どもにまとめて話してもらえるようにお願いしていくことで、抽象化のトレーニングにもなります。
すでに、中高生や、大人になってしまっている場合は、こんな思考トレーニングがおすすめです。
たとえば、人生は〇〇のようだというフレーズと、理由を考えてみるとか。
こんな、△△は、〇〇のようだというフレーズと理由をいろいろ考えてみたりするのも、抽象化のトレーニングにはなりますよ。
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