愛知総合工科高校の紹介記事Part3です。
自分の母校がベースになった学校のため、思い入れは人一倍あります。
それに、せっかくこんないい学校になったのに、意外に知名度が低いので、微力ながら学校の宣伝を勝手にお手伝いさせてもらっています。
今日のPart3では、工業高校には珍しく、特進コース&進学コースを持っているこの学校。その進学コースと専門コースの学び方の違いなど学習面の特徴と、進路についてご紹介します。
商業や工業といった專門科と、普通科では、カリキュラムにおおきな違いがあります。
感覚的には、普通科の学ぶ普通科目が約半分になり、残り半分が専門科目となる感覚ですね。
愛知総合工科高校でも、専門コースを選ぶと、3年間で、普通科目が、50単位、専門科目が43単位となります。
通常、工業高校や、商業高校から大学に進学した場合、この勉強内容で、大学の授業についていかなくてはいけません。
指定校推薦などで、受験勉強を免れたとしても、その先の大学での授業についていけないという話を最近はよく聴きます。(こちらの記事でも紹介しています)
工業高校出身者が理系の大学に進学した場合、数Ⅲや、物理、英語などをしっかり勉強していないと大学の授業についていけない可能性が出てきます。
先日の学校説明会で配られたカリキュラム表がこちらです。
愛知総合工科高校は、1年生はコースに分かれない、一括募集の高校です。
そのため、1年生のウチに、5系列(機械・電気・建設・化学・デザイン)の全ての基礎科目と、実習を一通り経験した上で、2つの大きな決断をすることになります。
1つ目の決断は、まず、1年の前半で5系列を経験した上で、どの系列を学びたいかを決め、1年生の後半では、その系列に特化した専門授業を受けることになります。
この5系列(機械・電気・建設・化学・デザイン)は、それぞれが大きく違うので、多くの生徒は、入学時にある程度この系列に進みたいとの思いがあって入学していると思います。
そのため、半年の期間があれば、十分に系列の選択は可能でしょう。
問題は、もう一つの決断です。
大学へ進学するのか、高校卒業時に就職をするのかを選択する必要があります。
特に、選抜コースは、希望者の中で1年生の学年末の成績の上位40名しか入ることができません。
また、進学コースも、現在は、4クラスとしているとのことで、1年生の成績が上位の半数の中に入っている必要がありますね。
こちらも、大学へ行きたいという思いがあるのであれば、入学時から、勉強に力を入れ、定期テストで上位にいないと、進学コースに残ることができないということになります。
そして、2年生からは、特進コース&進学コースに進んだ生徒は、一気に普通科目の授業が増え、専門科目の授業がガクンと減ります。
ただし、実習だけは、専門コースの生徒と同じ量をこなすので、座学で学んでいないけど実習を行わなければならないケースもあるそうです。
もちろん、実習の後にはレポート作成も・・・
増えた普通科目には、物理や、1年生で履修していない数Aと数Bが入っています。
また、1年生で、数Ⅰ~数Ⅱの途中まで進んだ数学は、2年生では、数Ⅱ~数Ⅲまでとなり、数学に関して言うと、数Ⅱ~数Ⅲと、数Aと、数Bを並行して学習することになります。
このあたりは、理数系が好きだから工業高校を選んだとはいえ、なかなかキツイものがあると思います。
ただ、入学したての高校1年生に比べると、自分で、コースや系列を決め、進路を明確にした後の高校2年生のほうが、遥かに考え方が大人に成長しているので、多少勉強の負荷が上がっても、対応する力はあるのではないかなと思います。
逆に、そういった覚悟が無い中で進学コースを選ぶと、理数系の科目数の多さに、潰れていしまいかねないので、進学コースを選ぶ際は、しっかり勉強する!という覚悟をもって選ぶようにしましょう。
1年の後半で、進学する、しないに関わらず、5系列を選んでいますから、2年の進学コースに進んだ生徒も、既に5系列のどこかに所属しています。
その上で、特進&進学コースへ進級するので、必然的に、特進&進学コースの電気科と、専門コースの電気科というように、5系列の生徒の中で、特進&進学コースと専門コースに分かれることになります。
このややこしい状況のまま、クラス編成をしているのが、Mixクラスという制度です。
つまり、特進コース(1クラス40人)の中に、機械加工、機械制御、電気、電子情報、建設、化学、デザインの7つの科の生徒が混じっているのです。
そして、普通科目は特進コースの教室で40人で授業を受けますが、実習など専門コースの授業の際は、それぞれ所属する7つの科にバラバラにわかれて、他のクラスにいる同じ科の仲間と実習を行うことになるのです。
クラスメイトは、一緒に大学を目指す仲間であり、実習では、同じ系列の専門科目を習う仲間と一緒に実習を行うことになります。
学校の中で、いろいろな所属関係があり、その中で友人の輪もふえるでしょうし、いろいろな学科の実習の話も聞けるメリットもありそうですね。
こうして、特進&進学コースで大学受験に必要な科目を学んでいるので、他の普通科の生徒同様に、昨年はセンター試験に、全体の約1/4の生徒に当たる95名が挑戦しています。
そして、その一般入試の難関を突破し、なんと、京都大学、名古屋大学、名古屋工業大学といった難関国立大学への合格を決めた生徒が出ています!
かれらは、3年間の中で、普通科目に加え、工業科目も学び、実習も他の専門コースの生徒と同じ時間数実施した上で、この難関を突破しているというのがすごい点です。
もちろん、一般受験だけでなく、国公立大学への推薦や、多くの私立大学への指定校推薦枠を持っているのも魅力ですね。
先に触れたとおり、大学に入っても困らない用にしっかり理系の科目を追加で履修しているので、大学に進学後も十分ついていけると思っています。
就職実績もすごいですね!
求人数は、就職希望者の約10倍!
一人で、10社選べる計算になります。
ただし、高卒は、一人1社しか受験できないので、成績上位社から、大企業や人気企業を選んでいくことになります。ただ、成績下位だからといっても残っている企業はどれも地場では優良企業ばかりなので、そういった意味でもとってもお得な高校ですね。
具体的には、トヨタグループはもとより、中電、東邦ガス、JR東海、名鉄といった地元の有力インフラ企業、日本ガイシ、日本特殊陶業、CKD、オークマ、大同特殊鋼、ヤマザキマザック、マキタといったの地元の優良企業、それに大企業の中部圏の工場など、大卒で入社しようとしたら、かなり難しい会社へ高卒ながらも入社することができます。
高卒であっても、一度大企業で働いた後であれば、そのキャリアを生かして、私のように転職してキャリアアップするという方法もあります。
転職活動においては、学歴は参考にはするものの、その会社で何をしてきたかが重要なので、大卒に負けない仕事をしていれば、転職でのキャリアアップも十分可能です!
3回に分けてお伝えしてきた、愛知総合工科高校の学校見学レポート、いかがだったでしょうか?
大学に行くなら普通科に行かなければという常識にとらわれること無く、こういった、工業高校、商業高校からも大学進学の道があること、また、就職するにも、とても素晴らしい企業に入社できることなどを知った上で、自分にあった高校選びができるといいなと思っています。
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愛知総合工科高校のココがすごい! Part1 教室&部活編(前の記事)
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愛知総合工科高校のココがすごい! Part3 勉強&進路編(この記事)
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