今週末に愛知全県模試を実施することもあって、特に中3生は、中1、中2の分野の復習を頑張ってくれています。
そんな中、社会(日本の地理)を復習している中で、こんな質問が出てきました。
「石油コンビナートってなに?」
家で、勉強してたときに、ところで、石油コンビナートってなんだろう?って疑問に思ったらしく、ググってみたそうですが、読んで理解できる答えが得られなかったそうです。
4~50年前なら四日市の石油コンビナートでの公害「四日市ぜんそく」の話題も多く、身近だった気もしますが、今は、四日市の空気もきれいになり、石油コンビナートについても、教科書以外では目にすることは無いのかもしれません。
このコンビナート、迫力ある工場群が、夜間は幻想的な輝きを放つので、最近は、観光地として見られるようになってきました。
「工場萌え」という言葉もでき、四日市コンビナートは「聖地」と呼ばれているようですね。
工場夜景を海上から楽しめる「四日市コンビナート夜景クルーズ」も10年前から行われています。
ちなみに、コンビナートは、ロシア語から来ているんですね。
「kombinat」(コンビナート)
生産の効率化を図るため、生産工程の密接に関連する近接の工場を物理的に結合し集団化したもののこと。
せっかくなので、 石油コンビナートでは、どんな工場がつながって集団になっているのか考えてもらいました。
まず、石油コンビナートで何を作っているかを考えてもらいました。
車に乗らない中学生は、油の種類をあまり知らないのですが、ガソリンと、灯油ぐらいは知ってましたね。
他にも、ディーゼル車が使う軽油、工場などボイラーの燃料に使う重油なども、石油(原油)を精製して作られます。
ちなみに、原油から各種の油を分離するのに、理科で習った「蒸留」という技術が使われています。
「蒸留」・・・沸点の違う成分を分離・濃縮する操作
こういった、石油を精製する工場の他に、元の原油を貯蔵する大きなタンクも入りますし、できた各種の油を貯蔵するタンクも必要になります。
これらの大型タンクや、大型の精製設備をどこに作ることができるかを考えます。
原油はどうやって運ばれてくるかを考えると、そう、船(タンカー)で運ばれてくるので、海沿いに作らないと運搬が大変になってしまいます。
そして、大型タンクや、大型の精製設備などは、住宅地からははなれた、広い敷地を必要とするので、海を埋め立てた工場地帯が最適となります。
海を埋め立てた工場地帯、特に太平洋ベルトにある工業地帯には、石油コンビナートが多くできましたが、特に、石油化学製品の割合が高い地域は、以下の2箇所です。
・京葉工業地域:千葉県の東京湾沿い、化学の割合が40%と大きい
・瀬戸内工業地域:岡山県倉敷市に石油コンビナートがあり、化学の割合が約20%
京葉工業地域の化学の割合の高さが目立ちますね。
化学の一番割合の高い工業地域が、千葉県にある京葉工業地域です。
次に化学が多いのが、瀬戸内工業地域で、県名でいうと、岡山県となります。
瀬戸内工業地域は、機械(自動車)は、広島のマツダが、化学は、岡山の水島コンビナートが中心となっているので、県名別の問題になっているときには注意が必要です。
石油コンビナートって何?という質問から、作っている製品、どうして海沿いにあるのか、どこの工業地域が化学工業の割合が高いかなどにつながっていきました。
こうやって、つなげて考えることで、「丸暗記」ではなく、理解することになるので、簡単には忘れなくなります。
ぜひ、社会の勉強は、単純な「丸暗記」ではなく、考えて、理解するようにしましょう!
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