2020年から始まる、これまでのセンター試験に変わる新しい入試制度「大学入学共通テスト」で注目されているのが、英語の民間試験の活用です。
これまでは、センター試験1つで、すべての受験生のすべての試験科目の試験を行っていました。
これが、2020年の大学入試改革の1つとして、英語の4技能化が導入され、これにともない、センター試験だけでは、新しく追加になるスピーキング、ライティングのテストを作成したり、採点したりすることが難しいと考えられ、それならばと、民間資格試験を活用しようとなったものです。
このため、今の高校2年生以下で大学受験を目指す生徒は、志望する大学によっては、英語の民間資格試験のスコアの提出が必要になります。
大学により民間資格試験の扱いが違い、どう使うかを決めかねている大学や、使わないと宣言している大学など、対応がバラバラのため、志望する大学が、どういった扱いをしているかをしっかり調べておく必要があります。
今日は、その民間資格試験の中で、もっとも早くに、2020年の受検スケジュールを発表した「英検」の予約についてご紹介します。
英検が発表しているスケジュールはこちら
2学期が始まって、普通科などで来年大学受験を控えた高校2年生には、学校の先生から、「今月の9月18日からの英検の予約を申し込んでおくように」との指導がされているかと思います。
学校によっては、「もし来年の大学受験で、英語の民間資格試験のなかで、英検を選択する場合には」という条件をつけている学校もあるかもしれませんね。
これは、来年の大学受験で使われる英語の民間資格試験の受験者数が、どの程度か数字が読めない中、民間資格試験を行う英検などの団体では、申し込みしてくれた生徒全員が受検できるようにするために必要な措置とのことです。
つまり、今回、3,000円という有料で予約を受け付けることで、いくつかある民間資格試験のなかで、確実に英検を受験する受験生の数を事前に把握でき、その予約数を利用して機材や、受検場所を確保しようとしているんですね。
正直、来年の大学受験の志望校もはっきり決まっていない中、必要かどうかよくわからない英検の予約を、お金を払ってまでする必要があるのかどうかは、微妙なところではあります。
もちろん、これまで、英検の3級や、準2級などの資格をとってきた生徒であれば、大学入試で使うか使わないかに関わらず、上位の資格に合格しておくことは、自分の英語の能力の証明にもつながり、また自信にもつながるので、積極的に申し込みするべきだと思います。
問題は、そういった英語の資格試験に積極的じゃなかった生徒が、来年の大学受験に必要だからと言われて予約を考えているケースです。
志望する大学がはっきり決まっていない生徒が多いとは言え、国公立大志望か、私大志望かは、決まっているでしょう。
今回の英検の予約に関しては、国公立大を狙うのであれば、出願資格になるケースも考えれられるので、予約することをおすすめします。
私大志望で、現時点でその大学が民間資格試験を積極的に採用していないのであれば、予約見送るという選択もありかもしれないですね。
私立大学は、受験者数を多く確保したいという論理が働くので、民間資格試験に関しては、上位の資格があれば加点など有利にあつかうでしょうが、資格が無くても受検で不利にはしないだろうと考えられるからです。
そのため、現時点で資格取得に熱心な生徒ならともかく、これまで、特に資格取得の勉強もしてこなかった生徒で、英語が苦手な生徒であれば、無理にあせって今回の英検の予約をする必要まではないかなと。
これから先、2020年の大学入試の改革に、高校生が翻弄されるのが可愛そうですね。
こちらでも、少しでもわかりやすい情報提供を行って、高校生の受験のサポートができればと考えています。
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